外壁塗装は、住まいの美観や快適さを保つだけでなく、建物の寿命を延ばすためにも重要なメンテナンスです。しかし、外壁塗装の必要性やタイミングについては知らない方も多く、放置してしまうケースが少なくありません。この記事では、外壁塗装の必要性や放置の危険性、外壁塗装が必要ない家について解説します。外壁塗装のメンテナンスをしばらくしていない人や不安がある人は、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装は必要か?必要性を感じていない人も…
外壁塗装は、建物の外観だけでなく、外壁材の防水性を保つために定期的なメンテナンスが不可欠です。外壁材自体には防水性がなく、工場で成形・塗装されたサイディングボードやモルタル外壁も、年月が経つと劣化し、防水性が低下するからです。
そのため、定期的な外壁塗装によって、外壁材を水分や紫外線から守り、建物の構造を保護する必要があります。しかし、外壁塗装の必要性について認識が不足している人々が多く存在しています。
実際に外壁塗装が必要になることを知らなかったと答えた人がアンケートで21%もいたことが統計として発表されているのです。その理由として、新築の際には外壁塗装工程が発生しないことや、ハウスメーカーや不動産会社からの外壁塗装に関する説明やアドバイスが不十分であることが挙げられます。
新築住宅では、一般的にサイディングボードなどの外壁材が使用され、最初から美しい外観が提供されますが、その美しさは時間とともに薄れることが一般的です。また、外壁塗装は単なる見た目の問題ではありません。
建物の耐久性や安全性にも大きな影響を与えます。外壁の劣化が進行すると、雨漏りのリスクが高まり、建物の構造に損傷をおよぼす可能性があります。そのため、外壁塗装は美観だけでなく、住宅の長寿命と安全性を確保する重要な役割を果たしているのです。
外壁塗装は住宅の美しさだけでなく、耐久性と安全性を保つために不可欠な作業です。外壁材の劣化や雨漏りを未然に防ぎ、住まいの価値を維持するために、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。そして、外壁塗装の必要性について周囲の人々にも認識を広め、建物の長寿命化と美化に貢献しましょう。
外壁塗装をしないまま放置するとどうなるのか
外壁塗装をしないまま放置すると、以下のようなリスクが高まります。
・外壁にコケやカビが生える
・外壁にひび・割れが起こる
・雨漏りが起こる
・リフォーム費用が高くつく
・外壁張り替えが必要になる
見栄えが悪くなるのはもちろんですが、それ以上に深刻なのは建物の構造体への影響です。外壁にコケやカビが生えると、外壁材が水分を含みやすくなり、防水性が低下します。また、コケやカビはアレルギーの原因にもなります。
外壁にひび・割れが起こると、雨水が内部に侵入し、木材の腐食やシロアリ被害を引き起こす原因にもなるのです。雨漏りが起こると、天井や壁が湿ってカビが発生したり、電気設備にショートが起こったりする危険性があります。
これらの状態になると、外壁塗装だけでは対処できず、外壁張り替えや内部の補修が必要になります。その場合、リフォーム費用は外壁塗装の数倍になる場合もあります。また、建物の寿命も短くなり、住まいの価値が下がるでしょう。
少数だが外壁塗装が必要ない家もある
外壁塗装が必要ない家もあるというのは本当でしょうか。実は、外壁材によっては外壁塗装が必要ない場合もあります。それはタイルやレンガといった素材です。これらの素材は水に強く、色あせや劣化も少ないため、外壁塗装をしなくても問題ありません。
ただし、タイル調のサイディングボードやレンガ調のサイディングボードは外壁塗装が必要です。これらはサイディングボードですが「タイルやレンガっぽい見た目」なだけで、実際には水に弱い素材です。
見た目だけでは見分けがつきにくいですが、タイルやレンガは高価な素材なので、外壁の価格がやたら高かった記憶があれば、タイルやレンガの可能性が高いです。また、タイルやレンガでもコーキングというパッキンのような部分がある場合は、劣化するので補修が必要になります。
コーキングは外壁と窓枠などの隙間を埋める役割をしており、防水性や断熱性を高めます。しかし、コーキングは紫外線や温度差によってひび割れや剥離を起こしやすく、10年程度で劣化するため、コーキングの補修は定期的に行う必要があるのです。
まとめ
外壁塗装は住まいの美観や快適さを保つだけでなく、建物の寿命を延ばすためにも重要なメンテナンスです。しかし、外壁塗装の必要性やタイミングについて知らない方も多く、放置してしまうケースが少なくありません。外壁塗装をしないまま放置すると、見栄えだけでなく建物の構造体にも深刻な影響をおよぼし、リフォーム費用が高くつくリスクがあります。外壁塗装が必要ない家もあるという話を聞いた方もいるかもしれませんが、それはタイルやレンガといった特殊な素材であって、一般的なサイディングボードやモルタル外壁ではありません。また、コーキングという部分はどんな素材でも劣化するので補修が必要です。