外壁塗装は適切なタイミングで行わないと、住宅そのものの大きな劣化の原因になりかねません。しかし、外壁塗装をする適切な時期や、外壁が劣化しているサインとは一体どのようなものでしょうか。本記事では、外壁塗装を行うべきタイミングについて焦点を当てて解説するので、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装のタイミング
外壁塗装の最適なタイミングは、主に以下の3つの要素によって決まります。それは、塗料の耐用年数、外壁の劣化症状、外壁の素材です。
外壁に使われる材料には、窯業系サイディングやモルタルが一般的です。これらの材料はセメントを主成分とし、防水性が低いため、雨水が浸透するリスクがあります。このため、外壁は塗装によって保護する必要があります。
塗膜が劣化すると、外壁は風雨や紫外線にさらされ、建物の腐食を引き起こす可能性があります。したがって、外壁塗装は適切なタイミングで塗り替えることが重要です。
塗り替え時期の目安
外壁塗装の塗り替え時期の目安として、まず塗料の耐用年数を考慮する必要があります。塗料には様々な種類があり、それぞれ耐久性能が異なります。一般的に使用される塗料の耐用年数は以下の通りです。
・アクリル塗料:耐用年数は3〜8年
・ウレタン塗料:耐用年数は5〜10年
・シリコン塗料:耐用年数は8〜15年
・フッ素塗料:耐用年数は12〜20年
一般住宅の外壁塗装にはウレタン塗料やシリコン塗料が多く使われているので、塗り替えのタイミングは5〜15年程度であることが多いです。
塗り替え時期を逃すことによるリスク
外壁を塗り替えるタイミングを逃すと、外壁の破損や雨漏りの発生といった問題が生じるかもしれません。これにより、住宅の構造体が腐食し、外壁塗装以上に高額なリフォーム費用が発生する恐れがあります。したがって、外壁塗装は塗膜が機能を失う前に行うことをおすすめします。
外壁塗装をするべき劣化のサインを紹介
住宅は、それぞれ異なる環境に建てられています。たとえば、太陽光が強く当たる場所や湿度の高い場所では、外壁の劣化が進みやすくなります。そのため、同じ塗料を使用していても、塗り替え時期が変わることも珍しくありません。
そのため、劣化症状を見逃さず、適切なタイミングで塗り替えを行うことが重要です。以下に外壁塗装をするべき劣化のサインを紹介するので、自宅の外壁と照らし合わせてチェックしてみてください。
色褪せ
外壁の色褪せは、紫外線の影響で塗膜の色があせてくる現象です。色あせを確認するには経過観察を行い、他の症状と併せて確認しましょう。
艶がなくなる
外壁は年を経るごとに、紫外線や風雨の影響で塗膜面の艶が落ちてきます。こちらも症状の経過観察を行い、進行度に応じて判断しましょう。
コケ
塗膜の防汚性能が落ちると、コケが生えやすくなります。以前よりもコケの生える頻度が増えた、成長が早くなったと感じたら、外壁の塗り替えを検討すべきです。
チョーキング
チョーキングとは、塗膜成分が劣化し、白い粉が露出する現象です。チョーキングは塗膜の劣化が進行しているサインなので、早めに塗り替えを行いましょう。
塗膜の浮き・はがれ
塗膜が外壁からはがれている状態は、外壁が大きく劣化していることを意味します。早急に塗り替えをして、外壁を保全するべきです。
シーリングが切れる
シーリングとは、サイディングの継ぎ目の充填剤が硬化し、裂けている状態です。上記の症状と同じく、早急な対応が必要です。
クラック
クラックとは、外壁にヒビが入る現象です。外壁に深刻なダメージが入っている証拠なので、すぐに塗り替えを行うべきでしょう。
外壁塗装に最適な季節
外壁塗装を行う際は、季節ごとの特性や気象条件を考慮して、最適な時期を選びましょう。塗装作業には気温や湿度が大きく影響するため、以下の季節ごとの傾向を参考にしてください。
春
春は外壁塗装に適した時期です。降水量が比較的少なく、気温も安定しているため、塗料が乾きやすい環境が整っています。このため、春は外壁塗装業者にとって繁忙期となりやすいです。
春先から初夏にかけては多くの人が外装のメンテナンスを行うため、職人の確保が難しくなり、価格が上がる傾向があります。しかし、春は過ごしやすい気温なので、養生で窓を締め切っても不快感が少ないのが利点です。
夏
夏は外壁塗装の依頼が比較的少ない時期です。理由としては、猛暑や高湿度が作業に影響を及ぼすことがあげられます。また、塗装面の温度が高すぎると塗料が適切に乾燥しない可能性があります。
とくに湿度が85%以上になると、作業は困難です。梅雨の時期には、雨が降っていなければ塗装は可能ですが、雨が長引くと工期が延びる可能性があります。加えて、養生のために窓を締め切ると室内の暑さが増すため、作業が不快に感じられることもあります。
秋
秋も外壁塗装に適した時期とされています。気温が安定し、降水量も少ないため、塗料が乾燥しやすい環境が整っています。このため、秋は春と同様に繁忙期となることが多いです。年内に工事を終わらせたいと考える人が増えるため、職人の確保が難しくなる場合があり、価格が上がりやすいです。
冬
冬は外壁塗装の閑散期ですが、工事が不可能というわけではありません。しかし、霜や積雪には注意が必要で、塗装作業は気温が低すぎると難しくなります。また、日照時間が短くなるため、1日に塗装できる面積が限られてしまいます。
塗装業者は春に向けて販促活動を行うことが多く、冬に依頼すると割引などの特典が得られることもあるでしょう。一定の気温と湿度が維持できており、雨や雪が降っていなければ塗装は可能です。
まとめ
外壁塗装を適切なタイミングで行うことは、住宅の長寿命化に不可欠です。塗装のタイミングは、塗料の耐用年数や外壁の劣化状態によって決まります。塗料の種類によって耐用年数は異なり、一般的には5〜15年ごとに塗り替えが推奨されます。
また、色あせやチョーキング、塗膜のはがれといった劣化サインが現れたら、早めの対処が必要です。最適な季節は春と秋で、気温や湿度が安定しており、塗料の乾燥もスムーズです。夏は高温と湿度が影響し、冬は工期が短くなるため注意が必要です。外壁塗装のタイミングと季節を見極めて、最良のメンテナンスを行いましょう。